離陸ニューヨーク

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ピカール、太陽光エネルギー機でリンドバーグの大西洋横断航路をたどる

スイス人冒険家ベルトラン・ピカールは、けさニューヨークからソーラーインパルス2で、単独大西洋横断に出発した。これは世界一周を目指す旅の15程目に当たる。ピカールは90時間後、スペインのセビージャに到着すると予想される。ピカールと同じくスイス人ボルシュベルグは交代で飛行機を操縦し、歴史的世界一周を目指している。

ニューヨーク(米国)— 天候さえ良好なら、ピカールはこの実験飛行機で、1927年に世界初の大西洋単独飛行に て成功したアメリカのチャールズ•リンドバーグの航路をたどる。ピカールの操縦するSi2機は、クリーンテクの膨大な可能性を証明すべく、記録的な旅を続けている。17000個の太陽光発電セルのみを原動力とし、化石燃料を一切使わない。リンドバーグの飛行機は450ギャロンの燃料を消費した。ニューヨーク出発前、インタヴューでピカールは以下の質問に答えた。

問:大西洋横断がどうしてそんなに大切なのですか。

答:私は11歳の時、フロリダ州ケープカナベルでのアポロ12号の離陸を見に行き、リンドバーグに会いました。リンドバーグやアメリカ宇宙プログラムの大勢のの宇宙飛行士との出会以来、私はずうっといつか冒険家になって、新しい飛行方法を見つけたいと 夢見てきました。16歳の時ハンググライダー初めて空を飛びました。その時、私はいわばヨーロッパの超軽量級パイオニアになったと言えましょう。太陽光機での大西洋横断で、私の夢が叶うことになります。

問:チャールズ•リンドバーグとはどのような御関係ですか。

答:リンドバーグは私の祖父アウグスト•ピカールの知人で、 リンドバーグが初めて気球で成層圏への飛行を成し遂げた後、一緒に夕食を食べたそうです。私はリンドバーグにその話をしましたが、彼はそのことを覚えていました。

問:彼の航路をたどって、ニューヨークからヨーロッパへ飛行することに、なぜそんなにこだわるのですか。

答:昔から、飛行機、気球、宇宙船、蒸気船やウインドサーフィンの技術が、熟練し、実際に使えるのかを見るためのテス地に、大西洋横断が利用されてきた。今度は、太陽光機 ー 電気で動き、排気ガスがでなく、化石燃料を使わない -- の番が来た。

問:あなたの飛行とリンドバーグの飛行では何が違いますか。

答:何と言っても大きな違いは、Si2機には燃料が一切積まれていないことです。航空技術史の全く新しいサイクルと言えます。リンドバーグが大西洋横断を果たした頃には、こんなことが可能かどうかさえわかっていませんでした。今の所、燃料なしの太陽光機でも、無理ではないかと考えられています。

問:大西洋横断、そして世界一周の目的は何ですか。

リンドバーグの飛行で面白いのは、彼は自分の飛行が成功すれば、商業ベースの航空への道が開かれると考えていたことです。パリ飛行で彼は非常に有名になり、航空交通やスカイスポーツへのドアが開かれました。私のソーラー•インパルス2飛行の目的は、商業航空ではなく、クリーンテクや再生可能エネルギーを奨励することにあります。我々の目標は進歩と革新です。私が本当に希望しているのは、クリーンテクを奨励し世界を改善することです。

問:太陽光機での大西洋単独飛行で、他に希望していらっしゃるのは何ですか。

答:この大西洋横断飛行には、非常に重要なシンボルとしての意味があります。大洋は昔から旧世界から新世界への 道のシンボルとなって来た。

数百年もの間、ヨーロッパから多くの人が、より良い生活を求めて大西洋を渡りました。今では、旧世界とはヨーロッパのような特定な大陸を意味するのではなく、古く、環境に悪い技術、石油や二酸化炭素排出を意味します。今日の新世界とは、クリーンテク、再生可能エネルギーや自然を尊重する世界を意味します。この飛行は、旧世界と新世界を結ぶシンボルです。世界の人々に、クリーンテクの新世界が可能なことを示すことができます。

問:航路について話していただけますか。どのくらいの距離で、どのくらいの高度を飛行しますか。

答:私はメキシコ湾海流を辿ります。私の父ジャック•ピカールも、1969年に自分で作った潜水艦でフロリダ州からノヴァスコシア州までメキシコ湾海流に乗って東海岸沿いを進みました。出発の日は天候次第で決まります。我々は、アイルランドか、フランスやポルトガルの飛行場へ飛行する準備もしています。最高高度は9000メートルです。高度10000メートルから12000メートルで大西洋を行き来するジェット機が見え、その音も聞こえるでしょう。ソーラー•インパルスは静かなので、空を飛ぶ他の飛行機の音が聞こえます。追い風次第で、4日から6日かかるでしょう。自動操縦を使うので、私はコックピットで、体調のため体操をしたり、仮眠をとることになります。

エリック•キルシュバウムによるインタヴュー

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